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2009年01月24日

ダークナイト〜格差社会が産む怪物〜

       

噂通りの「問題作」「衝撃作」だった。
バットマンもついに子どもに見せられない作品にまでなってしまった。
元々ダークヒーローの色は濃かったが、その極めつけが本作だ。
なんと言っても、ヒースレジャー演じる悪役「ジョーカー」の存在感がスゴい。
完全に主役を喰っている。
ここまでイカレた悪のヒーローがいただろうか?
あのハンニバルレクターを越えたかもしれない、映画史上「最狂・最悪」のアンチヒーローだ。
情け容赦なくゲームのように人を殺していくジョーカーの所行に、釘づけになり、ある種の快感すら覚える。
本来、悪いことをするというのは、快感であり快楽なのだろう。
その本能を目覚めさせる危険性を孕んだ作品であるがゆえに、善悪の判断が出来ない子どもには絶対見せられない。
昨今善悪の判断が出来ないのは子どもとは限らないが。

ジョーカーはまさに今、日本で現実に起こっている無差別殺人の加害者を連想させる。
ジョーカーがなぜそこまで凶悪な犯罪者になったのか?劇中その生い立ちが語られることはないが、子どもの頃から両親に虐げられ、その顔の傷のせいで大人になってからも阻害されたであろうことは想像出来る。
そんな自分を阻害した「社会」に対する激しい「憎悪」こそが、彼を史上最悪の犯罪者に変貌させたのだろう。
大富豪の息子で何不自由無い生活を送るバットマンと、不遇なジョーカーという関係も今の格差社会を象徴している。
格差社会が生んだ怪物ジョーカー。
これはあの秋葉原事件の犯人のケースと酷似していないだろうか?
今、日本社会はまだまだ無数のジョーカーを生み出す危険性を孕んでいるのではないだろうか?

ジョーカーのセリフに
「狂気なんて重力みたいなもんだ。ちょっと背中を押すだけで、人はいとも簡単に堕ちていく。」というのがあったが、
狂気に向かって背中を押すものは何なのか?誰なのか?

善良だと思っている市民がいつ背中を押されるか分からない「社会」。
もしかしたら知らず知らずのうちに自分が背中を押す側に立っているのかもしれない「社会」。
この世は目に見えない「ジョーカー=悪意」に満ちあふれているのかも知れないと考えると、そら恐ろしくなる。
「ダークナイト」は、現代社会にそんな警告を発している映画だと言ってもいいだろう。

これから観る方は、悪の魅力に取り込まれないよう、心して観た方がいい。  


Posted by Toshizo at 08:27Comments(0)
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