2009年01月27日
レッドクリフ〜男が漢であった時代〜

日本人にもお馴染みの古典「三国志」の中の「赤壁の戦い」にスポットを当てた超大作だ。
監督は香港からハリウッドに進出し、大成功を収めたジョンウー。
母国中国での凱旋作品ということもあって、気合いの入り方は半端ではない。
100億の制作費でも足りず、私費10億円を追加出資したほどだ。
超大作の名に恥じない、数ある過去の歴史大作中、白眉の出来だ。
豪華なキャストの中でも、呉の司令官、周瑜役の「トニー・レオン」がいい。人望篤く文武両道のカリスマ、周瑜を見事に魅力的に演じている。
そしてその妻、絶世の美女・小喬役の「リン・チーリン」が、とにかく息を呑むほどに美しい。小喬を我がものにする為に、一人の女の為に80万の兵を率いて戦を起こすというのもうなずけるほどの美しさだ。
更に天才軍師・諸葛孔明を演じる「金城武」。
日本人が孔明を演じるとは、なんと素晴らしい光栄な事か。
他にも、威厳ある曹操、民を思う劉備の両君主や、劉備軍の三武将、趙雲、張飛、関羽らの英雄豪傑などがアクション派監督ジョンウー演出の元、スクリーン狭しと大活躍する。
80万の曹操軍を迎え撃つ5万の劉備・孫権の同盟軍。
圧倒的に不利な戦況の中、彼らは知力を尽くしていかに戦ったか。
そこがこの映画の一番の見所である。
様々な陣形を見事なスケールで克明に再現した脅威の映像は圧巻だ。
また戦の間に挿入される様々なエピソードも「将とはどうあるべきか」「人格とは」「命とは」「戦さとは」など様々な示唆に富んでおり、とてもためになる。
論語もそうだが、三国志にまつわる故事成語にも、現代人こそ学ばなければならない教えが沢山ある。諸葛孔明の教えは今尚その輝きは色褪せない。
男は勇敢に戦い、女も凛として美しく生きた時代。歴史、戦記、ヒーロー、そして恋愛、様々な要素が盛り込まれた、必見の一大スペクタクルエンターテイメントである。 続きを読む